睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態の総称です。睡眠は、心身の回復、記憶の定着、免疫機能の強化など、健康な生活を送る上で非常に重要な役割を果たしています。睡眠が妨げられると、日中の活動に支障をきたし、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
睡眠障害には、さまざまな種類があります。代表的なものをいくつかご紹介します。
不眠症:
入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害など、睡眠時間の不足や睡眠の質の低下によって、日中の疲労感や集中力低下などを引き起こす病気です。
過眠症:
日中に過度の眠気を感じたり、居眠りをしてしまったりする病気です。ナルコレプシーなどが代表的です。
概日リズム睡眠障害:
睡眠と覚醒のリズムが乱れる病気です。時差ボケや交代勤務などが原因となることがあります。
睡眠時無呼吸症候群:
睡眠中に呼吸が一時的に止まる病気です。いびきや日中の眠気を伴うことがあります。
むずむず脚症候群:
寝る前に脚に不快な感覚が生じ、脚を動かさずにはいられなくなる病気です。
睡眠障害の原因は多岐にわたります。
・ストレス、不安、うつ病などの精神的な要因
・生活習慣の乱れ(不規則な睡眠時間、カフェインやアルコールの摂取など)
・身体的な病気(痛み、かゆみ、頻尿など)
・薬の副作用
・加齢
睡眠障害の治療法は、原因や症状ほか、患者さんの生活習慣によっても異なります。
・生活習慣の改善(規則正しい睡眠時間、適度な運動、カフェインやアルコールの制限など)
・薬物療法(睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬など)
・認知行動療法(睡眠に対する誤った認識や行動を修正する)
・光療法(概日リズム睡眠障害に対して、高照度の光を浴びる)
・CPAP療法(睡眠時無呼吸症候群に対して、睡眠中に気道に空気を送り込む)
睡眠障害は、放置すると心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。睡眠に関する悩みや不安がある場合は、専門医に相談することをおすすめします。
ご自身が睡眠障害かどうか心配な場合は、以下の項目をチェックしてみてください。
・寝つきが悪い、または夜中に何度も目が覚める
・朝早く目が覚めて、その後眠れない
・日中に強い眠気を感じる
・いびきをかく、または睡眠中に呼吸が止まることがある
・寝る前に脚がむずむずして、動かさずにはいられない
・睡眠時間が不規則である
これらの項目に複数当てはまる場合は、睡眠障害の可能性があります。無理せず早めの受診をおすすめします。