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パーソナリティー障害

パーソナリティ障害とは、一般的な人とは異なる反応や行動パターンが顕著で、それによって本人や周囲が苦しむ場合に診断される精神疾患です。ものの捉え方や考え方(認知)、感情のコントロール、対人関係など、様々な精神機能の偏りから生じるもので、「性格が悪い」という単純なものではありません。

パーソナリティ障害は、他の精神疾患(うつ病、不安障害、依存症など)を引き起こしやすいという特徴があります。そのため、他の精神疾患が前面に出て、パーソナリティ障害が見過ごされてしまうことも少なくありません。パーソナリティ障害は、他の精神疾患の背後に潜む「黒幕」のような存在と言えるでしょう。

治療を進めるには、患者さんと医療スタッフが協力して問題点を把握し、対策を立てていくことが重要です。近年の研究では、パーソナリティ障害は経過中に大きく変化することや、治療によって改善する可能性が高いことが示されています。

パーソナリティ障害の特徴

パーソナリティ障害を持つ人は、生きづらさを強く感じることが多く、うつ病、社交不安障害、依存症などを合併しやすい傾向があります。他の精神疾患を合併している場合、医療機関を受診する機会が増えるため、パーソナリティ障害が発見されることもあります。

パーソナリティ障害の種類

パーソナリティ障害は、大きく以下の3つのグループに分類されます。

A群(奇妙で風変わりなタイプ):

妄想性パーソナリティ障害、統合失調質パーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害

B群(感情的で移り気なタイプ):

境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害

C群(不安で内向的なタイプ):

回避性パーソナリティ障害、依存性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害の治療・支援

パーソナリティ障害の治療は、比較的長期にわたって患者さんと医療者が協力して行う必要があります。治療法としては、支持的精神療法、認知行動療法、精神分析的精神療法などのカウンセリングが用いられます。薬物療法としては、抗うつ薬(SSRIなど)や少量の抗精神病薬が使用されることもあります。また、合併している他の精神疾患がある場合は、それらに対する治療も並行して行います。